和ろうそくと普通のろうそくってどう違うんですか?
正式な定義はありませんが当社が考える和ろうそくはまず第一に植物性の原料から蝋を作っていること、第二に芯が紙を巻いてさらに場合によっては燈芯草を巻き真綿を巻いている日本古来のお灯明用のろうそくの事を指します。
一般の方が思われている普通のろうそくとはパラフィンワックス(重油から精製された蝋)をつかい芯は木綿糸などを使用している西洋で一般的に使われているろうそくのことです。
和ろうそくの原料って何からできているんですか?
和ろうそくの蝋は植物性の原料です。
植物の種や種が包まれている外殻を蒸して圧搾して油脂分を抽出して固めたものを原料として使います。
日本では古来からウルシ科の櫨(はぜ)という木の実がこのろうそくの原料に適しており主に和ろうそくの原料として使われていました。
現在は櫨の流通量が激減しており、東南アジア原産の化学組成式のよく似た植物性の原料を当社では主に使用しています。
国内産の最高級の櫨の実にこだわった純木蝋製和ろうそくも製造しています。また芯は和紙からできており、その和紙に燈芯草、真綿を巻いて燃焼の具合を調整したものも作られています。
純木蝋と普通の和ろうそくってどうちがうんですか?
当社の純木蝋は国内産の櫨から精製した古々実(ここみ)とよばれる木の実をつんでから2年間熟成させた最高級の蝋を使用しています。
当社の普通品の和ろうそくは東南アジア原産の植物から抽出した蝋を国内で精製した蝋を使用しています。
イカリ型和ろうそくと棒型和ろうそくってどう違うのですか?
イカリ型とは緩やかに沿った形でカーブのフォルムが美しい日本独特の和ろうそくの形です。
一方の棒型はテーパー上にまっすぐに近い形状をしています。
特に形以外の意味合いはほとんどないと当社は考えていますがお客様の傾向を見ていますと主に浄土真宗、浄土宗などの寺院様、信者様がイカリ型和ろうそくをお使いになり、禅宗の寺院様、信者様が棒型和ろうそくをお使いになることが多いですが特に決め事はありません。
ちなみに当社がご用達をいただいています曹洞宗大本山永平寺様には棒型の和ろうそくを、浄土真宗の寺院様のほとんどはイカリ型和ろうそくを納めさせていただいております。
芯切りってなんですか?
和ろうそくの芯切とは燃え進んだ和ろうそくの炭化して燃え残った芯の部分を切って炎の大きさを調節する作業のことです。
詳しくは
芯切についてを参照してください。
和ろうそくってどういうふうに作っているのですか?
当社の和ろうそくは北陸地域に根ざした和ろうそくの製造手法で堅掛け(型掛け)と呼ばれる手法で製造しています。
まず芯は木の棒に和紙を巻き(燈芯草や真綿をその上に巻く場合もあります。)その芯を蝋をすわせて固めます。
その後、特製の木型に芯を入れて蝋を流し込みます。蝋が固まった後型からはずし整形してさらにもう一回上掛けを掛けるものもあります。
木型の形が各ろうそくメーカーの独特のノウハウがありこの木型は当社も大切にしています。
木型の製作には当社は2〜3年の製作期間がかかるかなり手間と時間と工夫の要るものです。
また四国や関西では手掛けといわれる芯にを廻しながら蝋をこすり付けていく手法の製造をされている地域もあると聞いております。
ほとんど手作りと書かれているがほとんどってどういうこと?
当社の和ろうそくは芯に使用している紙の部分は和紙を使用しておりますが現在、多くが機械漉きのものを使用しています。
そのためこのような表現を使っております。サイズの大きい和ろうそくはいまだに手漉きのものを使用しております。
絵ろうそくって火をつけていいの?
火をつけるのがもったいないくらいの素敵な絵柄の和ろうそく、昔は雪深い地域で生花が手に入りづらい土地で枯れない花をご仏前に供えるという意味合いがあったと聞いております。
当社の絵ろうそくは火をつけても絵の部分もきれいに燃焼します。有害なダイオキシンガスも発生しません。
自分の持っている燭台とうまく合いますか?
和ろうそくの大きさの号数表記は各ろうそくメーカー独自のものでJIS規格のような業界統一規格のようなものがありません。そのため独自で試してみるしかないのが現状です。
当社で販売しています燭台には当社の和ろうそくの一致するサイズを表記するようにさせていただいております。
お手持ちの気に入った燭台にあうかご心配の型も多いですが芯が太い場合は無理に和ろうそくを押し込むと和ろうそくが割れてしまう場合がございます。
その場合は芯をライターなどで熱して熱くしてから和ろうそくを差し込むと和ろうそくの芯の穴が少し広がりうまく刺さる場合があります。
また燭台の芯が細すぎる場合は芯の周りに綿や紙粘土などを巻いて和ろうそくの芯の太さに合う太さに調節して和ろうそくが傾いたり不安定になったりしないように固定するようにしてお使いになることも一計です。
ご注意:この欄でご紹介した方法はあくまでも使い方の一案で使用にかかる不具合、事故等は責任を負いかねますのでご自身で安全に燭台にあった和ろうそくをお使いください。
最後まで燃えるのですか?
当社の和ろうそくは和ろうそくの尻尾まで芯が入っており最後まで燃えます。
しかし燭台の芯が長いと燃焼中に燭台の芯が熱を持ち燭台の芯の先あたりに炎が到達するくらいの短さに和ろうそくが燃え進むと燭台全体が熱を持ち和ろうそく自体が溶け出すことが考えられます。
和ろうそくを安全にお使いいただくには燭台の芯の先に和ろうそくの炎が到達したあたりで消化していただくのがよいかと思います。
お仏壇の金箔をいためにくいって本当ですか?
和ろうそくは植物性の原料を使用しており燃焼に伴い発生する油煙や煤も植物性のものです。
パラフィンから作られた西洋ろうそくから発生する油煙、煤は石油系のものです。両者を比較すると植物性の煤のほうが金箔をいためにくく掃除も楽です。
和ろうそくを使う文化がいまも継承され残っている地域は金箔仏壇をお使いになる地域と重なっているのはこのためであると考えられます。
和ろうそく自体は西洋ろうそくと比較すると価格は高いかもしれません。
しかし長い目で見てお仏壇の金箔をいためにくい和ろうそくを使う場合と、西洋ろうそくを使う場合でお仏壇の洗い(金箔の張替え)の寿命を考えると和ろうそくをお使いになるほうがずっとお徳になります。
お仏壇屋さんによってはお仏壇をお買い上げのお客様に使い方や掃除の説明をなさるときに必ず西洋ろうそくではなく和ろうそくを使って下さいと説明されるところもあると聞いております。
和ろうそくは癒しの効果があると効いたのですが本当ですか?
ろうそくの燃焼に伴いマイナスイオンを発生することは科学的に証明されています。
マイナスイオンは人に安らぎを与える癒し効果があると聞いております。
また和ろうそくは炎が800度前後の温度で燃焼しております。800度くらいの炎は夕焼けと同じくらいの赤燈色で科学的なことは抜きにして人に郷愁や安らぎを与えてくれる明るさだと思います。
キャンドルのあかりを癒しに使うライトテラピーという言葉もあるくらいです。
また電気を暗くして和ろうそくの明かりだけですごしてみると何か得もいわれない感覚になるのは私だけではないと思います。
宗教やお祝いにもろうそくは欠かせないものです。
また西洋の文化ではろうそくを生活の中にうまく取り入れうるおいや豊かさを味わっていますね。和ろうそくもお灯明にともしたり輪のともし火としてお使いになることで霊験あらたかな気分になったり荘厳な雰囲気を味わったり、生活の中でうまく取り入れてお使いください。