和ろうそくについて
当社では、蝋の原料に植物性油脂を使用し、芯には和紙やイグサや綿などを使用して作られた昔ながらのものを「和ろうそく」と呼んでいます。
重油から精製されたパラフィンワックスをつかった糸芯のろうそくについては「西洋ローソク」と呼んで区別しています。
和ろうそくの特徴
和ろうそくは植物由来の油脂で作られています
和ろうそくの原料にはいろいろな植物性の油脂が使われています。
昔から使われている原料には、櫨(はぜ)の木の実の外殻から抽出した油脂で木蝋と呼ばれる蝋が使用されています。
また現代では植物由来の原料が多く研究され大豆から作ったソイワックス、米ぬかから抽出したヌカ蝋、蜜蝋と呼ばれる蜂の巣からとった蝋などが使われていて、昔は鯨の油をつかった蝋もありました。ヨーロッパでは動物の脂分からもろうそくを作っていたようです。
小大黒屋の木蝋は十分に熟成させた櫨(はぜ)の木の実を蒸して圧搾して油脂分を抽出しています。
そうしてできた油脂分から不純物を取り除き木蝋がつくられています。木蝋は植物性油脂のため融点が低く加工が難しいとされています。
ハゼの実
圧搾機
風が吹いていなくても揺らぐ炎
和ろうそくは芯が太いので火力があり夕日のようなオレンジ色の炎になります。また、芯の内部が空洞なので空気が流動する時に風が吹いていない状況でも炎が揺らめいたりします。
炎の大きさは、およそ和ろうそく本体の長さの半分程度まで火が伸びる場合があります。
左:和ろうそく 右:西洋ろうそく
左:和ろうそく(炎が真っ直ぐな状態)
中央:和ろうそく(炎が揺らいでいる状態)
右:西洋ろうそく
炎が消えにくい
和ろうそくは芯が中空で空気が絶えず芯の中に供給されるので炎が消えにくく、また風がなくても炎の形がたえず変わって荘厳な雰囲気をかもし出すのが特徴です。
和ろうそくを底から見た様子。
芯が中空になっています。
生棒型和ろうそく1号の燃焼の様子(動画)
和ろうそくの燃焼時間
和ろうそくは、本体の長さが7pほどで25分〜30分燃焼するのに対し西洋ローソクは同じ長さで35分〜40分燃焼します。これは芯の違いで、芯が細く火力が小さい西洋ローソクはジリジリとゆっくり燃焼するため燃焼時間が長いのです。
和ろうそくの単位
和ろうそくの大きさの単位に戦前は匁(もんめ)という重さの単位を使っていました。
戦後、法律で匁(もんめ)の使用からグラム表記に変わり和ろうそくは匁から号に表記を変更しました。単に匁を号に読み替えただけです。20号は昔は20匁、100号は100匁という具合です。今でも匁とご注文もされる方も多くいらっしゃいます。
和ろうそくと西洋ローソクの違い
和ろうそく | 西洋ろうそく | |
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素材 | 櫨の実から抽出された木蝋や植物性の油脂 | 主に石油から抽出生成されたパラフィンワックス(石油由来の蝋) |
炎の色 | 芯が太いので火力があり夕日のようなオレンジ色の炎 | 芯が糸で火種が小さいため小指の爪ほどの小さな炎 |
炎の大きさ特徴 |
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火の消えやすさ | 芯が太いので消えにくい | 芯が細いので消えやすい |
燃焼時間 | 本体の長さが7pほどで25分〜30分燃焼 | 本体の長さが7pほどで35分〜40分燃焼 |
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